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「プロソディシャドーイング」 と「コンテンツシャドーイング」のやり方と効果を英語コーチが解説!

シャドーイングとは?

TOEICやTOEFLのリスニングスコアを短期間で上げるには、「シャドーイング」は必須です。シャドーイングは、文字通り、「Shadow(影のように)英語の音声を、聞いた直後にそのまま真似て復唱するトレーニング」のことを言います。シャドーイングは音声知覚(音を捉える能力)の研究に使われ始めたものですが、現在では、※第二言語習得研究(SLA)の観点から、外国語能力向上のために応用されており、通訳のトレーニング法としても採用されています。「聞く」、「発音する」を同時に行い、負荷をかける高度なトレーニングのため、短時間で英語力アップができます。

※第二言語習得研究[Second Language Acquisition(SLA)]とは、学習者がどのように外国語を学ぶかというプロセスを心理学、言語学、教育学などの観点から科学的に解明する学問です。どのように、指導すれば、外国語を効率的に習得できるかという教授法も含まれます。

シャドーイングで伸びる英語スキルとは?

それでは、シャドーイングをすることによって、どのような英語スキルが高まるのでしょうか?それは、シャドーイングの種類によって異なります。「シャドーイングって種類があるの?」と思われた方も多いと思いますが、正確には、2種類あります。

音をとらえる力を鍛える「プロソディシャドーイング」

まず、1種類目が「プロソディシャドーイング」です。プロソディシャドーイングは「聞こえてきた英語音声を影のように、ずらしてネイティブと同じ発音・リズム・イントネーションを真似して復唱すること」です。普段「シャドーイング」と言われる場合は一般的にこのプロソディシャドーイングを指すことが多いです。このプロソディシャドーイングは音声知覚(音を捉える能力=リスニング力)を高めるトレーニングです。また、ネイティブの発音を真似することによって発音が矯正され、改善する効果もあります。教材のスピードにもよりますが、シャドーイングに慣れていない方は音源の倍速を落として練習すると良いです。

下記のアプリを使用すると音源の倍速が変更できます。

⬇︎語学プレーヤー

https://www.nhk-book.co.jp/pr/app/lang_player

iPhoneユーザーならITunesのライブラリに入っている音源を語学プレーヤーで再生でき、AndroidならPlay Musicの再生ライブラリから再生が出来ます。再生速度の指定は段階別(0.5倍, 0.7倍, 0.8倍, 1倍, 1.2倍, 1.5倍, 2倍, 2.5倍, 3倍)ができます。

シャドーイングでは、母音や子音、「音声変化」、リズム・イントネーションの再現を正確に行うことが重要です。自然な英語を話すためには、「音声変化」の習得が必須です。「音声変化」は文字通り、ネイティブが自分がしゃべりやすいように、音を変えて発音することです。中級以上の英語レベルをお持ちの方は、この「音声変化」の再現を意識したシャドーイングがおすすめです。「音声変化」の詳細については、下記の動画をご覧ください。

音声変化の解説はこちら↓

音をとらえ、意味を理解する力を鍛える「コンテンツシャドーイング」

2種類目が「コンテンツシャドーイング」です。コンテンツシャドーイングは、「文章の意味を理解しながらシャドーイングすること」です。流れてきた英語音声の意味を理解しかつ、聞こえた内容をイメージします。意味をイメージするコンテンツシャドーイングは語彙力や英文の意味理解の強化にも繋がります。ただ流れてきた英語音声を追うプロソディシャドーイングに比べて、意味の理解が求められるコンテンツシャドーイングはより高度なトレーニングになります。そのため、コンテンツシャドーイングはある程度プロソディシャドーイングができるようになっている英語上級者向けのトレーニングになります。

私の受講生にもプロソディシャドーイングをまず実施してもらい、習得レベルを確認しつつ、コンテンツシャドーイングへと移行していただいております。コンテンツシャドーイングは、プロソディシャドーイングと同様に、リスニング力と発音改善の効果があります。

コンテンツシャドーイングを行うためには、「文章の意味を素早く理解すること」が求めらるれるので。英語を英語のまま理解する「ネイティブ脳」を身につけることが必須です。「ネイティブ脳」を身につけるトレーニングについては、下記の動画をご覧ください。

ネイティブ脳の解説動画(be動詞&現在分詞)はこちら↓

まとめ

今回は「プロソディシャドーイング」と「コンテンツシャドーイング」という2種類のトレーニング法をご紹介しました。簡単にまとめると、前者は「音を正確に捉える能力」に、後者は「音を捉えると同時に意味を理解する能力」をアップさせるという違いがあります。やみくもに量をこなすのではなく、トレーニングの意義と目的を理解して毎回トレーニングを実践するよう意識しましょう!そうすることで最短最速であなたは英語力をアップさせることができます。

【ライタープロフィール】


瀧内俊之(Toshiyuki Takiuchi)

関西学院大学で言語学、文化論について学ぶ。アメリカのエモリー大学で演劇科を専攻、プレゼンの手法、舞台演出について学ぶ。帰国後は、ビジネスシーンやハリウッド俳優の通訳、ドラマでの英語指導を担当し、俳優としても活動した。その後、ENGLISH COMPANYにて多数の受講生を指導し独立。ビジネス英語に特化した短期集中型英語パーソナルトレーニングジム「 The DooR(ザ・ドアー)」のパーソナルトレーナーとして、3カ月の指導で350点以上のTOEICのスコアアップの実績を持つ。世界時価総額TOP50以内にランクインする様々な米国企業への転職サポートに成功している。世界で活躍する起業家を育てる官公庁主催のGlobal Challengeの受講生に対し、1ヶ月の指導で、200組のうち、4組の選抜組に入賞させ、シリコンバレーで海外投資家へプレゼンをする権利を獲得させる。日本の俳優に対し、ハリウッド・ブロードウェイへの進出をサポートする英語指導も行っている。YouTubeチャンネルのトシ先生のハリウッド英会話【海外映画・ドラマ】で英語学習やプレゼンのノウハウについて配信中。

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