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【記憶が定着化する勉強法】心理学の准教授が教える「理解→記憶→定着」を効率的に行う3つの学習法を解説します!

世の中には、間違った学習法があふれている

学校で授業を受けた時、大事なところにマーカーで線を引いたり、テスト前に教科書を何度も読んだりした経験はありませんか?実は、この学習法は科学的に定着しないことが証明されています。

マーカーで線を引いたり、何度も教科書を読むと、とても勉強した気がします。これは、母語で教科書を読んだり、マーカーの線を引くことはとても簡単にできるからです。学習に流暢性【fluency】が生まれ、「勉強ができているようになっている!」と錯覚し、「知らないことを理解すること」に集中力が向かなくなります。「読むこと=理解している」と学習者に間違った認識を与えます。

流暢性が、勉強の役に立たないことは、科学的に証明されています。ケント州立大学の心理学准教授であるJohn Dunlosky(ジョン・ダンロスキー氏)は、科学的に効果のある学習法を専門に研究しています。

ダンロスキー氏は、①マーカーに線を引く、②参考書を読む勉強法をした生徒にテストを実施しました。テストの結果で、①②の学習をしただけの生徒は、授業の内容をほとんど理解していなかったことが判明しました。

このように、自分の勉強法では、「勉強ができている感覚」と「勉強が実際にできること」に差が生まれるので、注意が必要です。

John Dunlosky ケント州立大学の心理学准教授のインタビュー

「理解→記憶→定着化」できる3つの学習法

それでは、どのように学習すれば、身につくのでしょうか?まず前提として、正しい学習とは、学習した内容を理解、記憶し、定着化することです。「理解→記憶→定着」を効率的に行う3つの学習法をご紹介します。

①スペーシング 時間を分散させて学習する。

これは、テスト前など1日で詰め込まず、2週間ほどに渡って学習を行うことです。記憶は、「覚える→忘れる→思い出す」を繰り返すことが重要です。記憶は、一度覚えた内容を忘れてから、それを思い出すことで強化されるからです。忘れることは、決して悪いことではありません。長期間、内容を覚えておくためのステップだと考えましょう。

②学習内容を要約する

これは、自分に学習した内容についてクイズすると良いです。内容の理解度を確かめることができます。一番良いのは、同じ授業やレッスンを受けた友人に説明することです。もし、理解に誤りがあった場合、友人からフィードバックがもらえます。

③自分の持っている知識と関連付ける

記憶は家の足場のようなものであり、元々持っている知識と関連づけて、足場を広げて、家をどんどん大きく組み立てていく性質を持っています。ですから、元々持っている知識と新しい知識を関連づけることが学習内容の理解を助け、長期的な記憶を可能にすることができます。

皆さんもぜひ、学習をするときに、上記のテクニックを使ってみてください。

【ライタープロフィール】


瀧内俊之(Toshiyuki Takiuchi)

関西学院大学で言語学、文化論について学ぶ。アメリカのエモリー大学で演劇科を専攻、プレゼンの手法、舞台演出について学ぶ。帰国後は、ビジネスシーンやハリウッド俳優の通訳、ドラマでの英語指導を担当し、俳優としても活動した。その後、ENGLISH COMPANYにて多数の受講生を指導し独立。ビジネス英語に特化した短期集中型英語パーソナルトレーニングジム「 The DooR(ザ・ドアー)」のパーソナルトレーナーとして、3カ月の指導で350点以上のTOEICのスコアアップの実績を持つ。世界時価総額TOP50以内にランクインする様々な米国企業への転職サポートに成功している。世界で活躍する起業家を育てる官公庁主催のGlobal Challengeの受講生に対し、1ヶ月の指導で、200組のうち、4組の選抜組に入賞させ、シリコンバレーで海外投資家へプレゼンをする権利を獲得させる。日本の俳優に対し、ハリウッド・ブロードウェイへの進出をサポートする英語指導も行っている。YouTubeチャンネルのトシ先生のハリウッド英会話【海外映画・ドラマ】で英語学習やプレゼンのノウハウについて配信中。

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