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【英単語を記憶するコツ】エビングハウス の忘却曲線と記憶のメカニズムを使って覚える「効果的なタイミングで復習しよう」

英単語を覚えるのに苦労する人は多い

「英語の単語が覚えられない。。。。」
「覚えた単語をすぐに忘れてしまう。。。。」

こういったお悩みはありませんか?これはあなたの記憶力が悪いのではなく、間違った学習法をしていることがほとんどです。学習法を間違えるといつまでたっても、単語を覚えることができません。今回はやみくもに覚えるのではなく、脳のメカニズムを使って効率的に単語を覚える方法をお伝えします。

脳のメカニズムを応用して単語を覚える

最も効率よく単語を覚えるには、人間の脳の記憶のメカニズムを使うことが重要です。私たちは「反復する」「一度忘れてまた思い出す」ことで記憶を定着化することができます。嫌なことをついつい何度も考えて、忘れたいのに、忘れられない経験はありませんか?それは、「一度忘れたことをまた思い出し」さらに、記憶を反復しているからです。脳のこの性質を応用すれば、英単語も比較的楽に覚えられるようになります。

科学的に効率の良い単語学習法

脳の記憶のメカニズムを応用した単語の学習法は下記の通りです。必ず音源付きの教材を使いましょう。単語の正しい音を覚えないとリスニングやスピーキングで使えないためです。

1 . 1 日 100 語を目安に新しい範囲を覚えます。昨日やった単語を復習して覚えるのがポイントです!

Day 1  001-100 番
Day 2  101-200 番 + 001-100 番の復習
Day 3  201-300 番 + 101-200 番の復習

2.  大体 20 語くらいを 1 セットとして、まず覚える範囲を決めます。

3.  1 セット(20 語)について、英単語は発音し、日本語は目で見て、ひととおり確認していきます。日本語を発音する必要はありません。英単語を発音しないと、リスニングやスピーキングで単語を使えません。最初だけでいいので、必ず、付属の音源を聞いて発音するようにしましょう。

4.  セットの冒頭に戻り、日本語訳を覚えているかテストしていきます。英単語を発音したら意味を思い浮かべ、日本語を見て答え合わせしてください。意味が全て浮かぶようになるまで、そのセットを繰り返してください。 *この時、覚えられている単語も覚えられていない単語も関係なく、基本的に全て繰り返し ます。覚えたものを除いていく方法では定着が悪くなることが、脳科学で明らかになっています。人間は意味を思い出すときに記憶を強化するためです。

5.  全て完璧に覚えたら、次の 1 セット(20 語)に取り組みます。
*1 日に 100 語覚えるので、20 語×5 セ ット(2~4の手順を 5 回繰り返す)と 考えます。

6.  翌日には、前日に覚えた 100 語を発音しながらさっと見直して復習し、新たな100語に取り組みます。

注意点 単語を書いて覚える、ということはしないでください。その理由は下記の通りです。
• 時間がかかりすぎてしまい、一度に大量の単語に触れることができないため。
• インプット量を増やし、まずはその語を見たり聞いたりした時に意味がわかる、という受容知識(receptive knowledge)を増やすことが重要です。スペルを覚えるのは後回しでOKです!

エビングハウスの忘却曲線が示す復習の重要性

上記のように、単語を覚える上で、復習をすることが重要なのは科学的に証明されています。ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスは、「忘却」に焦点を当て、無意味綴りと呼ばれる実験を行いました。これは、被験者に子音・母音・子音から成る3文字の無意味な文字列ー(例 pis mek tasなど)を覚えさせ、忘れた頃に再び覚えさせる、ということを繰り返し行った実験です。

エビングハウスはこの実験から、人間に記憶を定着させる上で重要になる復習のタイミングを可視化しました。この忘却曲線では、2回目以降に覚え直す際、最初に覚えた時と比べて、完全に覚えるのにかかる時間をどれだけ節約することができたかを示す割合である「節約率」が明記されています。節約率が高いほど「楽に記憶することができる」ことを表します。その結果が以下の通りです。

20分後:58% 1時間後:44% 約9時間後:35% 1日後:34% 2日後:27% 6日後:25% 1ヶ月後:21%

このように、効率的に覚えるには、始めに記憶してから復習するまでの時間が短いほど、効率よく記憶することができます。就寝してから遅くとも、翌日までに覚えると効率よく記憶することができます。就寝前に英単語を覚えたら、翌日の朝に復習することが最も効率的な学習法です。上記の方法で効率よく単語を覚えましょう!

【ライタープロフィール】


瀧内俊之(Toshiyuki Takiuchi)

関西学院大学で言語学、文化論について学ぶ。アメリカのエモリー大学で演劇科を専攻、プレゼンの手法、舞台演出について学ぶ。帰国後は、ビジネスシーンやハリウッド俳優の通訳、ドラマでの英語指導を担当し、俳優としても活動した。その後、ENGLISH COMPANYにて多数の受講生を指導し独立。ビジネス英語に特化した短期集中型英語パーソナルトレーニングジム「 The DooR(ザ・ドアー)」のパーソナルトレーナーとして、3カ月の指導で350点以上のTOEICのスコアアップの実績を持つ。世界時価総額TOP50以内にランクインする様々な米国企業への転職サポートに成功している。世界で活躍する起業家を育てる官公庁主催のGlobal Challengeの受講生に対し、1ヶ月の指導で、200組のうち、4組の選抜組に入賞させ、シリコンバレーで海外投資家へプレゼンをする権利を獲得させる。日本の俳優に対し、ハリウッド・ブロードウェイへの進出をサポートする英語指導も行っている。YouTubeチャンネルのトシ先生のハリウッド英会話【海外映画・ドラマ】で英語学習やプレゼンのノウハウについて配信中。

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