【発音矯正】英語の発音は口先でできない?腹式呼吸の重要性と練習法を英語トレーナーが教えます!
目次
英語は日本語と違い、口先では発音できない
英語の発音というと、皆さんは何を思い浮かべますか?口や舌を動かして音を出すことをイメージする方が大半だと思います。確かに、きれいな英語の発音をするために、口や舌の使い方も重要です。しかし、それ以上に、大事なことがあります。それは呼吸法です。英語と日本語では、呼吸の仕方が違います。これを意識しないといつまでたっても、ネイティブのような発音はできません。声は息にのせて出すものだからです。
英語と日本語では発音の際の呼吸の深さや口や喉の使い方が下記のように違います。
英語
・腹式発声
・顎を緩めて発音
・空気をたくさん使う
・口をよく動かす
・体のリラックスが必要
・声が共鳴する(声量が自然にUP)
日本語
・喉元発声
・顎を固めて発音
・空気の量はあまり使わない
・口元でボソボソでも通じる
・体のリラックスは不要
・声があまり共鳴しない(声量が少ない)
腹式呼吸をするためには、体のリラックスが何よりも重要
受講生で一番多いのは、体のどこかが緊張し、力んでしまっていることです。余計なところに力が入りすげて、腹式呼吸がうまくいかず、声をはっきりとだすための息の量が足りなくなるのです。腹式呼吸をするときには、力が入っていないかどうか、鏡を見たり、自分の体を触ってみたりして、確認すると良いです。
例えば、私のトレーニングでも筋肉の緊張で受講生がうまく音読ないことがあります。受講生のあごの緊張を「ご自身のあごを触ってみてください。」と指摘します。そうすると、受講生はあごの筋肉の緊張しているのを自覚します。そして私が、「では、リラックスしてからあごを触ってみましょう」とお伝えすると、受講生はリラックスした状態を自覚します。
緊張とリラックスした筋肉の状態の違いを覚えることが大切です。ただ、筋肉の緊張がとけただけで、たどたどしかった音読が、流暢になったり、声量が大きくなったりしたケースを何度も経験しています。それほど、リラックスと発声には密接なつながりがあります。
The DooRでは、マンツーマンのパーソナルトレーニングで、腹式呼吸の練習の前に腰・背中・お腹の筋肉の緊張をほぐす短時間のストレッチの指導を取り入れています。英語を発音するための呼吸(ブレス)をするためには、体をリラックスさせ、筋肉の緊張をほぐすことが重要だからです。
英語の発音を改善する腹式呼吸の実践法
呼吸法はすぐに身につくものではありませんが、継続して練習すれば必ず改善し、英語の発音も良くなります。下記の1-5を意識して発音をしましょう!
1. 丹田(下腹)に力を加えて、重心をとる
2. 肩、のど、あご、口周りの力を抜く
3. 軽くあくびをして、口内に十分な空間をつくる
4. 下腹に向かってゆっくりと息を吸い込む
5. ソフトパレット(軟口蓋)に息を当てながら安定した長いため息をつく(ブレスフロー)
息をしっかり使い安定した発話ができると英会話の質も速度も上がっていきます。毎日5分でいいので、上記を意識して、腹式呼吸の発音をマスターしましょう。
英語の発声を自分でチェックする方法
英語声発声とブレスフローを自分でチェックする方法をご紹介します。喉の中の動きは自分の目で確かめられないので、手で触れて確認します。
喉の振動をチェック
ステップ1: 鎖骨のあいだのくぼみを確認(のどの付け根)
ステップ2: くぼみから上の部分を指2〜3本で軽く触れる ※押さえつけないようにします。
ステップ3: そのまま、例文を発声、発音
“Breathing is really important for speaking English.”
英語声で発声できていれば、指に伝わる振動から、 息を吐きっぱなしの発声・発音や、フレーズやワードが息の流れに乗る状態を確認できるはずです。
ためしに、カタカナ英語で下記を発音してみましょう。
“Breathing is really important for speaking English.”
声の響く位置が高く、呼吸が浅いため、振動がほとんど感じられません。
声帯を閉めずに脱力して発音することが重要
英語はあくまでリラックスして発音することが重要です。英語らしい音は、喉を閉めたあり、声を無理やり低くして出るものではありません。英語らしい低い声を意識して、声帯を閉まりすぎると、かえって喉が詰まって気道が狭まり、喉を痛める原因になりします。声帯が閉まりすぎたら、脱力・あくびをしてリセットしましょう。
低音でも声が響かなくては言葉が聞き取りづらくなります。ですから、十分呼吸して、ため息の連続 のような感じで、下記の文の発声、発音をしてみましょう。
“Breathing is really important for speaking English.”
腹式呼吸から母音→子音→音声変化のトレーニングを行う
腹式呼吸ができるようになったら、母音のレーニングするのが良いです。母音が英語の基礎の発音になるので、1つ1つ正確に発音できるようにしましょう。母音ができるようになったら、子音や、単語、そして文章と負荷を上げてトレーニングするのが良いです。英語の文章を自然とには、日本人のほとんの方が知らない「音声変化」について学習することが重要です。「音声変化」は文字通り、ネイティブが自分がしゃべりやすいように、音を変えて発音することです。ですから、この「音声変化」を知らないと、ネイティブのように、英語を流暢に話すことができません。「音声変化」について、下記の動画で詳しく説明位しているので、是非、ご覧ください。
「音声変化」の解説はこちら↓
【ライタープロフィール】
瀧内俊之(Toshiyuki Takiuchi)
関西学院大学で言語学、文化論について学ぶ。アメリカのエモリー大学で演劇科を専攻、プレゼンの手法、舞台演出について学ぶ。帰国後は、ビジネスシーンやハリウッド俳優の通訳、ドラマでの英語指導を担当し、俳優としても活動した。その後、ENGLISH COMPANYにて多数の受講生を指導し独立。ビジネス英語に特化した短期集中型英語パーソナルトレーニングジム「 The DooR(ザ・ドアー)」のパーソナルトレーナーとして、3カ月の指導で350点以上のTOEICのスコアアップの実績を持つ。世界時価総額TOP50以内にランクインする様々な米国企業への転職サポートに成功している。世界で活躍する起業家を育てる官公庁主催のGlobal Challengeの受講生に対し、1ヶ月の指導で、200組のうち、4組の選抜組に入賞させ、シリコンバレーで海外投資家へプレゼンをする権利を獲得させる。日本の俳優に対し、ハリウッド・ブロードウェイへの進出をサポートする英語指導も行っている。YouTubeチャンネルのトシ先生のハリウッド英会話【海外映画・ドラマ】で英語学習やプレゼンのノウハウについて配信中。
Joseph DeChicchis(デキキス・ジョー)
関西学院大学総合政策学部教授。アメリカのペンシルベニア大学にて、言語学を、イタリアのボローニャ大学にて記号論を、イギリスのサセックス大学にて、認知科学を学ぶ。現在は言語学、言語論、言語政策、人類言語学の研究に従事。関西学院大学で言語学や英語文化論の授業を実施。同大学の研究生に対し、言語学や認知科学の研究を指導している。The DooRでは、コーチングアドバイザーとして、受講生に対するコーチング指導のアドバイス、教材の監修を担当している。