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【助動詞の使い方】I can’t は失礼な表現!can と be able to の違いをプロが解説!

「I can’t go to the meeting.」は失礼な表現

日本人が、ビジネスシーンで「I can’t go to the meeting.(会議に行くのは無理です。)」を使うのをよく耳にします。実は、この英語は、ネイティブにとって、非常に失礼な表現で、あなたの印象を悪くしてしまいます。この記事では、英語トレーナーの筆者が、ビジネスに役立つ、正しい助動詞の使い方を解説します。

「can」と「be able to」の違い

日本の学校では、助動詞の「can」と「be able to」 は「〜できる」と同じ意味で教えていますが、これは大きな間違いです。ネイティブは意識的に、この2つを使い分けています。特に注意していただきたいのは、canには「可能性」「潜在意識」のコアイメージがありますが。特に否定文で使うときは、本人の「潜在的なやる気」を表現します。これに対し、be able to は、本人の「能力」や「物理的にできること」の話をするときに使います。

“Cannot” is usually the word you want. It means “unable to” or “unwilling to” do something.
「cannot」は自分の意思を表す単語。「自分のできないこと」もしくは、「自分のやりたくないこと」を表します。

「‘Cannot,’ ‘Can Not,’ or ‘Can’t’: What’s the Difference?」より引用

例えば、下記の例文のように、「can」と「be able to」の使い分けで大きな意味の違いが生まれます。

【例文】
・I can’t help you.「私は助けることができない(助ける気がない。)」
・I’m not able to help you. 「私は(自分の能力のために)助けることができない。」

それでは、冒頭の「I can’t go to the meeting.(会議に行きたくないので)会議に行けません。」の文をどのように変えれば、丁寧な表現になるのでしょうか?正解は、下記のようになります。

「I’m afraid I won’t be able to」の形が丁寧な表現

【例文】
・I’m afraid I won’t be able to go to the meeting.「(申し訳ないのですが)会議には行けません。」

「I won’t be able to go to the meeting.」は、時間や物理的に行くことが困難な場合に使います。下記のよう、「be able to」 は、「can」と比べてフォーマルな場面で使うため、この表現が最適です。 それに加えて、I’m afraid「申し訳ないのですが」という枕詞をつけることで、より丁寧に自分の意思を伝えることができます。

Be able to is more formal than can.「be able toはcanよりフォーマルな表現である」

「Collins dictionary」より引用

ここで、注意しなくていけないのは、「I’m afraid」や、「be able to」をつけ忘れて、「I won’t go to the meeting.」と表現すると、「絶対に、会議になんて行きません!」という強い怒りや拒否を表す文に変わってしまうことです。

won’t はwill notの短縮形です。will は本人の「強い意志」を表し、「絶対〜するぞ!」という意味を持っているので、will notで「絶対〜しない!」という拒否を表す意味になります。一般的には、「will」は、下記のように使うことが多いです

【例文】
・I won’t do it!「それをするつもりは絶対ありません!」
・I won’t ever talk to her again!「彼女とは、二度と話すことはありません!」

willとbe going toの違いはこちら

このように、won’t は、非常に強い表現なので、単独で使用することは、避けた方がよいです。ビジネスでは、「I’m afraid I won’t be able to」 の形で使うようにしましょう。下記に、この形を使ったビジネス英語フレーズをご紹介します。

「I’m afraid I won’t be able」を使った英語フレーズ

【例文】
・I’m afraid I won’t be able to go to the meeting. 「申し訳ないですが、会議に行くことはできません。」
・I’m afraid I won’t be able to finish the paper by tomorrow. 「申し訳ないですが、明日までに書類を仕上げることができません。」
・I’m afraid I won’t be able to help you today.「申し訳ないですが、今日、手伝うことができません。」

ここまで、助動詞「can」「be able to」「will」の意味の違いや、ビジネスで使える英語フレーズをご紹介しました。

ビジネスでは正確に自分の状況や意思を伝え、ネイティブに誤解を与えないことが重要です。TPOに合わせた、正しいビジネス英語が使えるように、是非、この記事をお役立てください。ビジネス英語について、さらに、詳しく学びたい方は、下記の動画をご覧ください。


参考文献

トシ先生のハリウッド英会話「【英語学習法】英語トレーナー直伝!『willとbe going toの違い』とは?
Collins Dictionary「What is the difference between can, could and be able to?

【プロフィール】


瀧内俊之(Toshiyuki Takiuchi)

関西学院大学で言語学、文化論について学ぶ。アメリカのエモリー大学で演劇科を専攻、プレゼンの手法、舞台演出について学ぶ。帰国後は、ビジネスシーンやハリウッド俳優の通訳、ドラマでの英語指導を担当し、俳優としても活動した。その後、ENGLISH COMPANYにて多数の受講生を指導し独立。ビジネス英語に特化した短期集中型英語パーソナルトレーニングジム「 The DooR(ザ・ドアー)」のパーソナルトレーナーとして、TOEICスコアを3ヶ月で375点アップした指導実績を持つ。世界時価総額TOP50以内にランクインする様々な米国企業への転職サポートに成功している。世界で活躍する起業家を育てる官公庁主催のGlobal Challengeの受講生に対し、1ヶ月の指導で、200組のうち、4組の選抜組に入賞させ、シリコンバレーで海外投資家へプレゼンをする権利を獲得させる。日本の俳優に対し、ハリウッド・ブロードウェイへの進出をサポートする英語指導も行っている。YouTubeチャンネルのトシ先生のハリウッド英会話【海外映画・ドラマ】で英語学習やプレゼンのノウハウについて配信中。

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